「医療法人格の売買」をお考えの院長先生、話しを持ちかけられている理事長先生、本当に大丈夫ですか?

インターネット上でもそうですが、医療法人格の売買について耳にすることは少なくはありません。

成功事例、失敗事例、注意点など。

私は医療法人専門の行政書士として??と疑問を持つ、というよりも驚きを隠せません。

その理由について以下述べていきます。

上手い話に騙されない為にも、ご参考にしていただければと思います。

 

もくじ

  1. そもそも医療法人格の売買って?
  2. 法人格のみの売買は禁止されています
  3. それでも後を絶たない業者
  4. まとめ ~うまい話には要注意!~

 

1.そもそも医療法人格の売買って?

一言でいってしまえば法人格のみの売買を指します。

どういうことかというと。

医療法人の目的は診療所または病院を経営することです。(定款をご確認ください)

ということは、「医療法人」には必ずセットで診療所(または病院)がついてきます。

「医療法人格のみの売買」とは、診療所(または病院)をセットで売らずに「医療法人」だけ売ることを指します。

例えば、次のようなケースが該当します。

 

院長先生が高齢、診療所を閉院

医療法人は解散せずにそのまま残った状態

残った「医療法人」を第三者へ売却

 

このケースように、診療所は売らずに「医療法人格のみ売る」という事例が横行しています。

 

2.法人格の売買は禁止されています。

1.で挙げたような例は残念ながら少なくはありません。

しかしながら、「法人格の売買」は禁止されています。

医療法第65条では次のように定められています。

医療法第65条より

都道府県知事は、医療法人が、成立した後又はすべての病院、診療所及び老人保健施設を休止若しくは廃止した後一年以内に正当の理由がないのに病院、診療所又は介護老人保健施設を開設しないとき、又は再開しないときは、設立の認可を取り消すことができる。

 

また、厚労省は指導において次のように述べています。

全国厚生労働関係部局長会議資料より

休眠医療法人の整理については、医療法人格の売買などを未然に防ぐ上で重要なものであり、実情に即して設立認可の取り消しを検討するなど厳正な対処をお願いしたい。

 

つまり、「法人格の売買」については未然に防ぐため、各自治体は休眠法人を解散処分できるとされています。

なぜなら医療法人制度は目的の一つとして「医業機関の経営に永続性を付与する」ことが含まれるからです。

診療所や病院を安定的に末永く経営するために医療法人設立を認めているのです。

医師以外の者が医療法人を経営することにより、医業の健全性が損なわれることを危惧しての対策と考えられます。

ですから、そもそも「医療法人格の売買の成功事例」が存することはおかしなことなのです。

 

3.それでも後を絶たない業者

それでもなぜかインターネット上などでは正々堂々と「成功事例」や「失敗事例」などが取り上げられています。

なぜなのでしょうか。

役所がそこまでチェックしていない、というのが実態ではないかと推察します。

しかし、法人格の売買を売りにしている業者の事例を細かくみていくと、やはり「違法」ということは認識しているようです。

具体的に「失敗事例」や「注意点」を見てみると、さもそれらしき理屈を並べてはいますが、ようは「役所にばれて認可が下りなかった」で説明がついてしまうような内容です。

買い手も売り手もリスクの高い「医療法人格の売買」が後を絶たず非常に残念で悲しいです。

 

4.まとめ ~うまい話には要注意!~

では、なぜ禁止されているにもかかわらずこのようなことが横行しているのでしょうか。

もちろん「お金になるから」です。

医療法人の売買は決して安くはありません。

業者は「売りたいけど買い手がなかなか見つからない」と考えている院長先生につけこんできます。

また「早期に法人を設立したい」と考えている個人クリニックの院長先生にも、あたかも法人格を買った方がお得なように話します。

しかし、本当にそうなのでしょうか。

違法なことであれば当然リスクは大きいです。

仮に「成功」したとしてもそれは「ばれなかった」に他なりません。

わざわざ高い費用をかけてまでリスクを冒していいのでしょうか。

目先の金銭だけではなく、本当に得なのか、しっかりと考えていただきたいものです。

私は医療法人専門の行政書士として、このようなことがまかり通っていることを危惧しております。

あいにく、弊所は小規模の事務所です。

声をあげたところで影響力はいくらもないでしょう。

それでも私は「医療法人専門の行政書士」を名乗るからには、院長先生、理事長先生が知らず知らずのうちに不要なリスクを負ったり、損失をだすようなことを黙って見過ごすことはできません。

せめてこのページをご覧いただいた方だけでも、この事実を認識していただきたく存じます。

【もっと詳しく知りたい理事長先生へ】

弊所では定期的に無料セミナーを開催しております。

インターネット上ではなかなか話せない内容なども。

解散・承継にまつわる事例なども盛りだくさんです。

詳しくは ハッピーリタイアメントセミナ をご覧ください。



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