医療法人設立をどこへ依頼すべきか比較 行政書士?税理士?コンサルタント?
「医療法人設立」「医療法人化」とインターネットを調べるとたくさんの業者がヒットします。
行政書士、税理士、コンサルタント…
同じ専門家でもこれらの業者はいったい何が違うのでしょうか。
ここではそれぞれの業者へ依頼するメリット・デメリットについて記載します。
クリニックを法人化したいけど、どこへ手続きを頼めばいいの?とお悩みの院長先生のご参考になればと思います。
1.行政書士へ依頼
医療法人設立許認可手続き、といえば行政書士になります。
なぜかと言えば、医療法人設立の書類作成を代行できるのは法律で行政書士または弁護士以外は禁じられているからです。
各都道府県のHPにも「行政書士でない方が、官公署に提出する書類及の作成を業として行うことは、禁じられております」という注意書きが記載されていることも多いです。
メリット
- 行政への書類作成&提出の専門家。
- 医療法人手続きは各自治体によりクセがあったりするので、窓口対応になれている行政書士へ依頼すると交渉などスムーズにいきやすい。
- 医療法人業務に詳しい行政書士へ依頼すれば、医療法や保健所の対応などの相談もできる。
デメリット
- 行政書士といっても得意分野は多岐にわたる。医療法人についてまったく知らない行政書士がほとんど。
- 医療法人化は設立認可申請後にもたくさんの手続きがあるので、不慣れな行政書士へ依頼するのはリスクが高い。
注意点としては「行政書士なら安心」ではありません。
「医療法人に詳しい」行政書士へ依頼するようにしましょう。
2.税理士へ依頼
医療法人設立手続きをおこなっている税理士事務所も数多くあります。
税理士は登録手数料と年会費を支払えば行政書士登録ができます。
行政書士登録していない税理士への依頼は問題外(違法)です。
ここでは行政書士登録している税理士または行政書士がいる税理士事務所についてみていきます。
メリット
- 医療法人設立を依頼すると顧問料サービスなどの特典があるところも。
デメリット
- 特典サービスを利用する場合には、顧問先変更や数年単位で顧問契約を結ばないと違約金がかかることも。
- 税理士事務所のメイン業務はあくまでも「税務」。
- 顧問先拡大や顧問料UPを目的として手続きをおこなうことが多いので、片手間の作業になりがち。
- 事務員が通常の事務作業の片手間に医療法人設立の書類も作成している、というところが大半。
中にはしっかりやっている税理士事務所もありますが、「うちは専門の行政書士がやっています」とアピールしても、実態がかけ離れていることも少なくはありません。
3、コンサルタントなど
これは…
行政書士や弁護士の資格をもっていない単なる医療系のコンサルタントが医療法人設立書類の作成代行をすることは違法です。
メリット、デメリットの記載の余地はありません。
行政書士は独立するか行政書士法人に勤務する使用人行政書士になります。
「株式会社○○」というところへ行政書士として勤務することはできません。
もしコンサルタント会社へ医療法人設立について相談を受ける場合には、設立の書類作成は別に行政書士事務所など紹介してもらうことになります。
4.まとめ ~医療法人設立をどこへ依頼すべきか~
結論から言うと、医療法人設立は「医療法人に詳しい行政書士」へ依頼することがベストです。
少しこわいのですが、医療法をまったく知らない行政書士や素人でも医療法人設立認可申請が通ることも少なくありません。
役所が見ているのはあくまでも「設立の要件にあっているか」だからです。
その役所担当者もレベルに差があるので、不思議な内容でも通ってしまうこともあります。
ここで強調したいのは、医療法人化は「設立」だけではないということです。
手続きだけをとっても、設立後にクリニックの名義変更作業があります。
その後も設立した医療法人は運営していかなければなりません。
設立で認可が下りたとしても、内容によってはその後の運営に多大な支障をきたします。
だからこそ、依頼するときには「安い」とか「知り合いだから」という理由のみで選んで失敗しないでください。
法人化後の運営をスムーズにするためには、医療法人許認可に詳しい行政書士(または一部、専門性の高い行政書士がいる税理士事務所など)へ依頼するようにしてください。
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