医療法人を設立するときには「社員」と「役員」を決めます。

それぞれどんな人を選べば良いか、選べない人、避けた方が無難な人など、ポイントを絞って解説していきます。

また、タイトルを「医療法人社団」としましたが、「社団」はあまり気にしないでください。

普通に個人院から医療法人へ移行する場合は「社団」になります。

※このページで「社団」の詳細説明はいたしません。どうしても気になる方は弊所までお問合せください。

 

社員とは

医療法人の社員(≠従業員)とは

社員とは、医療法人のオーナーを指します。

従業員のことではありません。

原則として3人以上。(各自治体により異なります)

この社員たちが多数決で医療法人の意思決定をおこなっていきます。

医療法人の意思決定とは、具体的には診療所や病院の開設、廃止(閉院)、役員や管理者を誰にするか、決算や予算など医療法人のお金に絡む決定、解散・合併など…

医療法人の運営にかかわることを「社員総会」で決めていきます。

そういう訳で、この「社員」を誰にするかはとても重要です。

 

社員を誰にするか

上記で述べたとおり、社員は医療法人の意思決定をおこなう重要な人です。

医療法人をどうするかの意思決定は、社員総会で多数決で決めます。

おかしな人を社員にしてしまい、勝手に役員や社員からはずされたりしたら大変です。

また、方向性が異なる人が社員になると、後々もめごとになる可能性もあります。

そういう訳で、社員は慎重に選んでください。

信頼のおける、方向性の同じ人(または法人)で固めてください。

 

社員になれる人

以下、医療法人運営管理指導要綱より

「社員は社員総会において法人運営の重要事項についての議決権及び選挙権を行使する者であり、実際に法人の意志決定に参画できない者が名目的に社員に選任されていることは適切でないこと」

簡単にまとめると、社員総会で自分の意志で議決権を行使できる人は社員になれるということです。

そういう訳で、幅は広いです。

法人や団体、未成年でもなれます。(営利を目的とする法人を除く)

特に未成年については「義務教育終了程度の者」とはっきり書いてあるので、中学生でも自分で意思決定をできれば社員になれます。

ただし、医療法人設立時に社員になる場合には、認可申請する時に「実印」が必要です。

実印登録は15歳以上ですので、設立時の社員は実質15歳以上になります。

 

 

役員について

よく混同される方がいらっしゃいますが、社員≠役員です。

役員は現場で業務をする人のことです。

誰を役員にするかは社員総会で決めます。

そういう訳で、役員は全くの赤の他人でもなんでも、しっかりと業務をしてくれる人が適任者になります。

ちなみに役員になれる要件は次の3つです。

 

①人

社員と異なり、法人や団体などは社員にはなれません。文字通り「人間」のみが役員になれます。

 

②欠格事由に該当していないこと

医療法で役員の欠格事由が明記されています。

成年後見人や被保佐人、医療法など違反した人で一定期間経過していない人、医療法人とかかわる法人と関係性が濃い人など

※上記はかなり大まかに記載しています。

 

③その他、各自治体によっては年齢制限などあり

年齢制限がなければ未成年でも役員に就任できます。

しかし、役員に就任したら役所へ「役員変更届」を提出します。

その際には実印が必要になるので、年齢制限がない自治体でも実質15歳以上になります。

 

 

まとめ

社員と役員をよく混同される方は本当に多いです。

ありえないことですが、認可書や議事録などの書類を拝見すると、それを作成した人が明らかに混同していて社員と役員がごちゃごちゃになっている医療法人も多いです。

医療法人化する際にはどうしても「節税対策」に目がいきがちです。

しかし、それよりも機関(医療法人の内部構造)の方が本来重要な法人の幹の部分です。

設立時はもちろん、設立後も社員と役員の違いを理解して人選をしていただければと思います。

わかりやすくするために一部省略した部分などもございます。

ご不明点がございましたら、お問合せくださいませ。